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下末吉で出会う、花のある日常「花屋SPROUT(スプラウト)」

2026.02.15

いつもの道なのに、花の色や香りに気づいて、思わず立ち止まる瞬間があります。
下末吉の住宅街にある「花屋SPROUT」さんは、立ち止まるきっかけをそっと差し出してくれるお店です。

お店に一歩足を踏み入れると、まず感じるのは穏やかな空気。色とりどりのお花が並ぶ空間には、慌ただしさがありません。
迎えてくれた代表の野口さんも、その空間と同じやわらかな空気をまとった方でした。

花に詳しくなくても、立ち寄れる場所でありたい

野口さんが何より大切にしているのは、花との距離を広げすぎないことです。

「最初はガーベラの名前も知らなかったんですよ」
お花屋さんを開業するきっかけを伺った際、そう笑いながら話してくれました。
その言葉からは、花に慣れていない人の気持ちを置き去りにしない姿勢が、自然と伝わってきます。

プロとして花に向き合いながらも、「特別なことがない時のお花屋さんって入りにくい」と感じる人にも、まずは気軽に触れてほしい。その想いが、お店全体のやさしい雰囲気につながっているように感じました。

カフェを併設しているのは、「お花っていいよね」を感じてもらう入り口をつくりたかったから。カフェを目的に訪れた人でも、帰る頃には自然と花に目を向けてくれたらという想いがあるんだそうです。

贈り物のお花については、イメージや用途を丁寧に聞いたうえで、基本的に予約を受けてから仕入れをおこなっているそうです。鮮度や色合いにまで目が行き届くのは、花との距離を大切にしているからこそだと感じました。

花はいけるから、ゆとりが生まれる

花屋SPROUTさんの公式サイトには、「花は余裕がある人が買うというけれど、花を活けるということが余裕に繋がる」という印象的な言葉がありました。

花は特別な日に贈るもの、という考え方もすてきです。けれど、日常に一輪の花があるだけで、人は自然と足を止め、眺め、呼吸が深くなる。
そのひとときこそが、ゆとりであり、有意義な時間なのだと教えてくれました。

なるほど、取材を通して、当時の自分のせわしなさにも気づかされました。

お客様の中には、仏壇に供える花を選ぶ際、故人を想いながら対話するように選ぶ方もいるそうです。その時間こそが、花の価値なのだと、野口さんは話してくれました。

季節で遊ぶ、花のワークショップ

SPROUTさんでは、季節ごとのワークショップもおこなっています。
テーマは、「季節で遊ぶ」。

「去年はこれを作ったよね」と、記憶が作品と共に残っていく。
季節を感じて、その時期ならではの花に触れることで、一年の流れを自然にとらえる時間を届けています。

お花への意識は、いきなり買うことから始めなくてもいい。まずは外を歩いて、花に目が行くようになること。そんな気づきが日常を少し豊かにしてくれるのだそうです。

花が主役の空間に、そっと寄り添うカフェ

店内には、カフェスペースも併設されています。ただし、ここでも主役はあくまで花。
お客様への心遣いはもちろんですが、花にとって良い環境を守ることを大切にしています。

「お花ファースト」

ご機嫌な花たちが並ぶ空間に、人が入っていく。そのバランスがSPROUTさんならではの居心地の良さを生んでいるように感じました。

ラテをいただきながら、テーブルにさりげなく置かれた花を見て、
「かわいい」と思った瞬間に「すーっ」と肩のチカラが抜けました。

マフィンから広がる、次の楽しみ

レジ横にディスプレイされたマフィンたちが気になって……

やさしい空気感に包まれた後、マフィンをテイクアウトしてみました。

購入した「アールグレイといちじく(クリームチーズ入り)マフィン」は、いちじくの種がプチプチ、ザクザク。噛むたびに、アールグレイの香りがふわっと広がります。
「生チョコマフィン」は甘さ控えめで、表面はサクッ、中はしっとり。上にのった生チョコが、とろりと溶けて余韻を残します。

マフィンを味わいながら、「カフェスペースでランチの時間を過ごせたら、きっと心地いいだろうな」そんな想像が自然と浮かびます。

下末吉に、花屋があるということ

「このエリアには、花屋があったほうがいい」そう感じたことをきっかけに、修行を重ね、開業に至ったのが代表の野口さんです。

地元のお客様からは、ランチメニューを望む声も多く聞かれます。
花を選び、カフェでひと息つき、その延長に食事の時間がある。
SPROUTさんは、地域の中で、そんな時間が流れる場として存在しています。

お花を通して生まれる「ゆとりのある時間」は、これからも下末吉の暮らしの中に、静かに広がっていきそうです。

実は私も以前、テイクアウトでランチボールを購入していました。ミモザの花が咲く季節、いつもの道が少し違って見え、足を止めた記憶がよみがえりました。

花は暮らしを少し立ち止まらせてくれる存在。下末吉にはそんな時間に出会えるお花屋さんがあります。
SPROUTさんはこれからも、花を中心に人が集い、季節を感じる場所として、そっと扉を開いてくれそうです。

エリア情報

花屋SPROUT(スプラウト)

住所:神奈川県横浜市鶴見区下末吉5-8-5(県立鶴見高校近く)
アクセス:JR京浜東北線・鶴見線「鶴見」駅西口から徒歩約25分、臨港バス鶴06寺谷循環「寺尾中学入口」下車徒歩約2分
TEL:090-3214-5363
営業時間:木曜〜日曜 11:00~17:00
定休日:月曜〜水曜
駐車場:1台(近隣コインパーキングあり)
駐輪場:有り