鶴見でふっと自分に戻る磐座(いわくら)カフェ「綱五郎」
やること、考えること、決めること。
頭の中がずっと動き続けていて、気づけば呼吸が浅くなっている。
そんな日にこそ、あえて時間をつくって行きたい場所があります。

2023年10月、ハマサキマガジンでご紹介した鶴見の古民家ヴィーガンカフェ「綱五郎(つなごろう)」。
今回、あらためて訪れました。
前回はヴィーガンカオヤムプレートを中心に、「食」の魅力に触れましたが、今回はティータイムと、この場所に流れる“空気そのもの”に目を向けています。
前回の記事はこちら
ヴィーガンカオヤムプレートがおすすめ!鶴見の古民家ヴィーガンカフェ「綱五郎」https://www.house.jp/areainfo/tsurumi/tsurumi-gourmet/tsurumi-other/tsurumi-tsunagorou-w070-20231019/
ひとりの時間を過ごしたくなる理由
写真映えする空間、数人でわいわいランチを楽しむ。
そんな使い方もできる綱五郎ですが、今回おすすめしたいのは、あえて「ひとりの時間」です。

凛としているのに、どこかあたたかい。
静けさの中に、やさしく包まれる感覚。
実際に訪れた人からも、そんな声が多く聞かれるそうです。
何かをしなくても、ここにいるだけで整っていく。
そんな時間が流れるカフェです。
古民家ヴィーガンカフェから「磐座カフェ」へ
綱五郎は、古民家ヴィーガンカフェとして知られてきました。
けれど現在は、古民家の中に鎮座する磐座を大切にする「磐座(いわくら)カフェ綱五郎」として、そのあり方をさらに深めています。

オーナーの栗原愛さんが、この場所でカフェを始めた理由。
それは、カフェをやりたかったからというよりも、この古民家と、そこに迎え入れられた磐座の存在を「知ってほしかった」からでした。
磐座という、変わらずあり続ける存在
磐座とは、古くから神が宿る場所として大切にされてきた岩のこと。
古神道の思想では、神社以前の祈りの場とされてきました。
また現代では、大地のエネルギーや磁場が安定する地点とも言われています。
3代目栗原綱五郎さんのお屋敷が戦後に修復された際、この磐座は運び入れられました。

愛さんは、この存在に宿るものを、とても大切に感じていたと言います。
凛としているけれど冷たくない。この場所の空気は、磐座を中心に静かに広がっているようでした。
「正しさ」よりも、「クリーンな意識」でいること
磐座カフェ綱五郎の料理はヴィーガン。
愛さん自身も、数年ヴィーガンとして暮らしていた経緯があります。
けれど、ここで語られるのは「ヴィーガンであること」そのものではありません。

完全さや正しさを追い求めるのではなく、この場所で食事をする時間だけは「クリーンな意識でいられること」。
今ではヴィーガンという言葉も特別なものではなくなり、綱五郎は「磐座カフェ」として在ることを選びました。
削ぎ落とすことで、生まれる心地よさ
現在のランチメニューは、カオヤムプレートと2756バーガーの2種類。

選択肢が少ないからこそ、迷わない。
迷わないから、心が疲れない。
削ぎ落とされたあり方そのものが、この場所の空気感をつくっています。
店名の「綱五郎」には、代々続いてきた時間への敬意が込められています。
愛さんは、この場所が200年先も続いていくイメージを自然に思い描いているそうです。
息子、孫、その先の世代へ。
磐座のように、変わらずそこに在り続けるもの。
目には見えないけれど、確かに感じられるもの。
それを一言で表すなら、「愛」。
取材の中で、そんな確認をそっと交わしました。
初めて訪れた人が口にするのは、「気持ちがいい」という言葉。
だらっと緩むだけではなく、どこか背筋がすっと伸びる。
凛としているのに、あたたかい。
仕事や家のこと、人との関係。
理由はわからないけれど、ずっと気を張ったまま過ごしている人。
磐座カフェ綱五郎は、そんな人が自然と足を向けてしまう場所なのかもしれません。
ただ、座って、過ごすだけでいい
土間で靴を脱ぎ、木の床を踏みしめた瞬間、空気の質が変わったことに気がつきます。

古民家の奥には、静かに鎮座する磐座。
特別な説明はありません。ただ、そこに在るだけ。
心が少し疲れている人ほど、ここで何かを受け取ろうとしない。
ただ、座って、食べて、静かに過ごす。
そうしているうちに、「これでいいのかもしれない」
そんな感覚が、内側から立ち上がってきます。
ティータイムがくれる、静かな回復
ランチタイムが落ち着いた午後。この日いただいたのは、「大人のプリンサンデー」と「抹茶ラテ」。

やさしい甘さと、輪郭のある味わい。季節によってトッピングが変わります。この時期はお芋やキンカンが添えられており、甘さが強すぎず、最後まで軽やかに楽しめる一品でした。

おいしいと感じただけなのに、身体の奥がゆるむのがわかる。気がつくと、何かを考え続けることをやめている自分がいました。
この空間をつくっているオーナーの栗原愛さん。
多くを語る方ではありませんが、「どう在るか」をとても大切にしている人だと伝わってきます。
忙しくしないこと。
我慢をしないこと。
無理なく、続けられること。
愛さん自身の生き方が、そのまま空気となり、磐座カフェ綱五郎という「場」をつくっている。そう感じずにはいられませんでした。
磐座カフェ綱五郎の時間を、日常へ
帰り際、目に止まった蜜蝋のキャンドル。愛さんは火を灯した時の「光」を感じてほしいと教えてくれました。

磐座カフェ綱五郎で過ごした「あの時間」を、日常に持ち帰るための小さなきっかけ。
そんな存在に感じられます。

理由はわからないけれど、少し疲れているとき。立ち止まりたいとき。
磐座カフェ綱五郎は、何かを足す場所ではなく、自分に戻る余白が、静かに用意された場所です。
エリア情報
TSUNAGORO-綱五郎-
住所:神奈川県横浜市鶴見区尻手1丁目3番3号
アクセス:JR京浜東北線・鶴見線「鶴見」駅から市営バス「尻手(バス停)」下車徒歩1分、JR南武線「尻手」駅から徒歩約12分
TEL:045-585-2756
営業時間:金曜〜月曜11:30~14:00(ランチ)13:30~16:00(ティータイム)
定休日:火曜〜木曜
駐車場:有り
駐輪場:有り
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