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川崎の「仙薹屋(せんだいや)」が紡ぐ、半世紀の和菓子物語

2026.03.11

川崎市川崎区の鋼管通に、地元の人々から長く愛され続けている和菓子屋があります。引越して間もないころ、田島市役所にて手続きを終えたあとにふらりと訪れたのが最初でした。

まだ川崎エリアに慣れていない頃、こちらの和菓子を食べながら新居でホッとした思い出あるお店です。
今回は世代を超えて地域に愛される「仙薹屋」の和菓子についてご紹介します。

四季を感じる、伝統と革新の和菓子たち

この店の歴史は古く、昭和46年に藤崎で創業された本店から、昭和56年に暖簾分けという形で誕生しました。暖簾分けとは、長年修行を積んだ職人が、師匠から認められて独立する際に店の名前を受け継ぐ、日本の伝統的な継承システムです。この鋼管通店も、そうした確かな技術が店主に受け継がれ、半世紀近くにわたり、この地で和菓子を作り続けてきたそうです。

店内に足を踏み入れると、左右に並んだショーケースが目に飛び込んできます。老舗ならではの王道和菓子から、季節感あふれる創作和菓子まで、多彩な品々が並んでいました。

左側のショーケースには、おまんじゅうや大福などの定番商品が並んでいます。訪れたのは2月半ばでしたが、すでに春の訪れを感じさせる桜餅が陳列されていました。四季の移ろいを感じながら季節の和菓子を選ぶのも楽しみの一つですよね。

今回はいちご大福と桜餅と草餅を買いました。初めて訪れたときに買った商品もいちご大福だったのですが、改めていちご大福と草餅のお餅が求肥のように柔らかくて驚きました。桜餅のあんこは上品でほど良い甘さで、塩漬けの葉と絶妙なバランスでした。

右側のショーケースには、どら焼きや最中など、手土産に最適なお菓子の詰め合わせ箱がずらりと並んでいます。どら焼きは種類が豊富で栗、抹茶、さくらなどがありました。

急な来客やちょっとしたお礼の品が必要な時、こうした老舗の和菓子を持参できるのはうれしいと同時に、地元に信頼できる和菓子屋があることの安心感を、改めて実感しました。

老舗ならではの伝統的な製法を守りながら、現代の人々の好みにも配慮している様子が伺えます。これが、半世紀近くにわたって地元の人々に愛され続けている理由なのでしょう。

「これぞ和菓子屋のどら焼き」満足度No.1の逸品

数ある商品の中でも、特に人気が高いのが「栗入どら焼き」だそうです。私はママ友からいただいて食べたことがあり、みなさんにもぜひ食べていただきたい一品です。

ポイントは、皮の美しい焼き色です。きつね色に焼き上げられた生地は、見るからにふっくらとしていて、職人の丁寧な技術が伝わってきます。手に取ると、ずっしりとした重量感。中にたっぷりと詰まったあんこの存在を、持っただけで感じることができます。

一口かじると、優しい皮の甘みが広がり、続いてどっしりとした粒あんの上品な甘さが口いっぱいに広がります。この粒あんが本当に絶品で、甘すぎず、かといって物足りなくもなく小豆の風味がしっかりと感じられます。これぞまさに、和菓子屋が作る本格的なあんこの味わいです。中にゴロッと入った大きな栗の存在は、宝物を見つけたような気分にさせてくれます。

「これぞ和菓子屋のどら焼き」という王道の味。1つからお買い求めもできますし、人気だからこそ詰め合わせ箱として手土産用にも用意されています。

人生の節目に寄り添う、地域密着の和菓子屋

「仙薹屋」の魅力は、日常のおやつだけにとどまりません。人生の大切な節目や行事をサポートしてくれるのも地域ならではのおもてなしと感じます。

店頭には、一歳のお祝い用のお赤飯や、桃の節句のお菓子なども並んでいました。私も含め子育て中のご家庭にとって、こうした行事の際に頼りになるお店が近くにあることは、とても心強いものです。初節句や一升餅など、子どもの成長を祝う日本の伝統行事を老舗和菓子屋に任せられることは、特別な日をより豊かなものにしてくれます。

昭和、平成から令和へと時代が移り変わる中、「仙薹屋」は一貫して「本物の和菓子」を作り続けていらっしゃいます。その確かな味は、老舗ならではの職人技と、長年培われた経験の賜物です。

一方で、時代のニーズに応えながら進化する柔軟性も持ち合わせています。伝統的な和菓子の良さを守りながら、現代の人々が求める味わいへの配慮も忘れない。そのバランスこそが、半世紀近くにわたって地域の人々に愛され続けている理由なのでしょう。

店名の「仙薹」という表記にも、老舗としてのこだわりがあらわれています。現代では簡略化された字体が使われることが多い中、あえて旧字体の「薹」という文字を今も大切に使い続けているようです。
老舗の絶品和菓子を味わいにぜひ一度、足を運んでみてください。きっと、あなたのお気に入りの和菓子が見つかるはずです。

エリア情報

仙薹屋 鋼管通店

住所:神奈川県川崎市川崎区鋼管通1-17-6
アクセス:JR南武線「浜川崎」駅から徒歩約15分
TEL:044-366-7778
営業時間:9:30〜18:00
定休日:水曜日