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歴史の息吹を感じる 鶴見区馬場「愛宕山宝藏院」

2022.02.22

鶴見区には楽しいお出かけスポットが多くあります。私は時々そんな鶴見区内にあるお出かけスポットへ遊びに行くのですが、先日友人から近所に歴史の息吹が感じられるお寺があるとの情報を得ました。それは行かない手はないということで、さっそく行ってまいりました。鶴見区馬場の「寶藏院(ほうぞういん)」です。今回はこの「寶藏院」をご案内します。

力強い「山門の獅子」

「寶藏院」は真言宗智山派の寺院で、正式には「愛宕山寶藏院」といわれています。一見すると、この寺は閑静な住宅地の中にひっそりと佇んでいるように見えます。

しかし、一歩境内に入ると多くの発見があり歴史の強い息吹を感じます。まず目を引いたのは「山門」です。山門の上部には、参拝客を凝視しているかのような獅子が左右それぞれ1体ずつ据えられています。近くにある石碑を読むと、左右の獅子は参拝客に2体合わせて1体に見えるような工夫が施されているそうです。改めてそのように獅子たちを見ると、二体が力を合わせて一緒に寺を守ろうといった意気込みを感じます。

さらに獅子を注意深く見ると、爪の部分が鋭利に彫られていることが分かります。鋭利に彫るといったこの技法は鎌倉時代の特徴であり、この彫刻はその時代の風格を如実に表現しているそうです。ちなみに2体の獅子を有する「山門」は鶴見区内で最も古い建築物だそうです。歴史の息吹を感じますね。

パワーをくれる「おびんずるさん」

「山門」をくぐり右折すると、朗らかに迎えしてくれる「おびんずるさん」という仏様を見つけました。とてもにこやかなお顔をしていますね。この仏様の解説文によると、自分の身体で病んでいる部分があれば、この病んでいる部分と同じ仏様の箇所をなでることによってそこが治るとのことでした。

最近寒さのせいか指先が冷たくなりつらい思いをしている私は、さっそく「おびんずるさん」の右手の指先をなでました。「おびんずるさん」のパワーで私の冷たい指先が早く良くなるといいな。

珍しい木「ハガキの木」

「おびんずるさん」を進むと右手に「多羅葉(たらよう)」という樹木があります。聞けばこの木は別名「ハガキの木」と呼ばれ、その葉は古代インド時代に経文を記す際に使われていたそうです。だから、「ハガキの木」と呼ばれるのですね。古代インドでは経文を記す時に細い棒を使っていたため、葉肉には文字を書いても破れないほどの厚さが必要だったそうです。

なるほど、実際に触ってみるとこの木の葉っぱはしっかりとしているため、かなりの力を加えても破れそうにありません。それにしても、鶴見にこのような珍しい木があるなんて驚きです。

神奈川県の名木100選「源平五色のツバキ」

仏殿で参拝を済ませ霊園の方に向かうと、大きな椿の木を発見しました。「源平五色のツバキ」です。「神奈川県の名木100選」に選ばれた木で、樹歴は600年以上あるそうです。

この木はとても珍しく、春になると赤、白、ピンク、しぼり、ぼかしの5色の花をつけます。訪れた日は2月だったのでまだ花は咲いていなかったのですが、例年なら3月下旬から5月中旬に花をつけるそうです。ちなみに見ごろは4月上旬頃なので、珍しい花が好きの方はその頃訪れてみてはいかがでしょうか?

ありがたい水「霊泉」

さらに奥に進むと手水舎(参拝時に手を洗うところ)をみつけました。ここの手水舎は丁寧に手入れが施されているため、その場にいるだけで気持ちが凛とします。

手水舎の上に掛けられている説明文を読むと、この手水舎に流れ込む水は一年中その流れが途切れることがないそうです。それゆえ、この水は霊泉(別名 延命水)と称されているそうです。かた時も枯れずいつでも使える水があることは重宝するし、ありがたいことですよね。

ところで、この水は万障に効き目があるらしく、顔につけると心身ともに美男美女になりお金にかけると商売が繁盛するそうです。私もこの水をかければ美女になるかしら?と考えた一日でした。

珍しい木やありがたい水に出会える「寶藏院」は、歴史がもつ息吹を強く感じる場所でした。他にも、白山さま(歯の神様)といったパワースポットもあります。JR京浜東北線 鶴見駅からは少し遠いのですが、歴史のパワーを感じたい方はぜひとも訪れてみてください。

エリア情報

愛宕山寶藏院

住所:神奈川県横浜市鶴見区馬場4-7-5
アクセス:JR京浜東北線 鶴見駅西口から
横浜市営バス38系統「馬場4丁目」下車徒歩3分
川崎鶴見臨港バス鶴01系統「殿山」下車徒歩10分