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みんなで育てたみんなの図書館 鶴見区「東寺尾図書館」

2022.04.18

鶴見区内に、周辺住民が主体となり地元の子どもたちのために作った図書館があることはご存知でしょうか?それが鶴見区東寺尾中台にある「東寺尾図書館」です。

実はこの図書館「みんなで育てたみんなの図書館」と言われています。どうしてそのように言われるのでしょう?いろいろと調べていくうちに、さまざまなことが分かりました。そこで、今回はそんな「東寺尾図書館」をレポートします。

地元住民による手作りの図書館

「東寺尾図書館」は、JR京浜東北線鶴見駅西口より徒歩20分、バスだと10分ほどの場所にあります。

閑静な住宅地の中にひっそりとたたずむ姿は、さながらグリム童話に出てくるお家のようで、おとぎ話の世界に飛び込んだような雰囲気を醸し出しています。

この図書館の特徴は何と言っても、公共図書館ではなく私設図書館であるということです。なぜなら、この図書館は地域住民の手で作られた施設だからです。

時は第二次世界大戦終戦直後、生活環境は悪化の一途をたどっていました。特に子どもたちを取り巻く状況は深刻で、友達と安心して遊んだり、十分な教育を受けられるほどの環境は整っていませんでした。なぜなら、大人たちは日々の生活に追われ、子どもの教育どころではなかったからです。

そのようななか、深刻な教育環境の悪化を危惧した地域住民や地元小学校のPTAが立ち上がり、「子どもたちに仲間づくりや自由に本が読める場所を提供する」というコンセプトのもと、東寺尾中台に図書館を作ったのです。東寺尾図書館の誕生です。

読む本が乏しく、安心して文学に触れることができない子どもたちを見て、ふびんに思ったのでしょう。大人も自分のことで精一杯な頃、このような図書館を住民自ら企画して作るなんて、地域の大人たちが抱く子どもたちへの愛情の深さに感動しました。

創立20周年には盛大な記念式典が行われ、石碑が立てられました。そこには、「みんなで育てたみんなの図書館」という文言が刻まれ、この図書館が地域住民主体で建設・運営され、周辺に住む人々にとって欠かせない施設となっていることが明記されています。

その後も、この図書館は周辺住民によって修繕や増築が続けられ、今なお、地域の大切な場所となっています。

自治会館としての東寺尾図書館

残念なことに現在では図書館としての機能はなくなり、その役割は自治会館へと変わってしまいました。しかし、今なお地域の大切な場として親しまれており、健康促進や生涯学習、廃品回収の拠点として役に立っています。

たとえば、この日は地域の敬老会が行われていました。みなさん、とても楽しそうです。

他にも、空手教室や囲碁教室、マージャン教室やコーラスサークルなどが行われています。また、年に一回はバザーが開催され、多くの人々が集う施設となっています。

地域住民なら誰でも!愛され続ける地元の居場所

この東寺尾図書館は、地域住民ならば誰でも使うことができます。詳しくは、東寺尾図書館までお問い合わせください。

創立70周年記念を祝う会では、いつも東寺尾図書館を利用しているコーラスグループや社交ダンスサークルといった団体が、日頃の成果を披露しました。本当にこの図書館は、地元の人々に愛されているのですね。

「みんなで育てたみんなの図書館」と言われている「東寺尾図書館」。駅から少し離れているのですが、あなたも一度訪れてみてはいかがですか?

エリア情報

東寺尾図書館

住所:神奈川県横浜市鶴見区東寺尾中台30-3
アクセス:JR京浜東北線鶴見駅西口より川崎鶴見臨港バス鶴03に乗車
「二本木」で下車、徒歩8分
電話番号:045-581-8721
開館時間・休館日については、東寺尾図書館にお問い合わせください。