鶴見区にある、知る人ぞ知る和菓子の名店「菓心 雪梅庵」
今回ご紹介するのは、鶴見区にある「菓心 雪梅庵」という和菓子屋さんです。
昔と比べ、現代の日本人にとっては食べる機会の減った和菓子。
そんな日本の伝統菓子に魅了され、この地にお店を開いた店主のお話をもとに、鶴見が誇る人気和菓子店をご紹介します。
中国人の店主が営む、小さな和菓子屋さん
「菓心 雪梅庵」の店主は中国出身で、もともとは日本語も話せませんでした。
日本語学校に通って日本語1級を取得し、製菓学校に2年間通った後に5年間和菓子屋さんで就業。
その後、東京、静岡、名古屋、大阪、沖縄などの有名店で修行を行い、2018年に自身のお店をオープンした、「努力の人」です。
最近は「水引」作りにハマっているようで、店内は水引でつくられた飾りで華やかになっていました。
看板メニューは、どら焼き!
もともとは、上生菓子がきっかけで和菓子を好きになったという店主。
しかし、この地域には上生菓子を好んで買うお客さんが少なく、みんなが「買いたい!」と思うものを販売しようと考え、最初に作ったのがこのどら焼きだそう。
和菓子業界の会長さんから教えていただいたそうで、添加物も入っていない特別な一品です。
そしてそのどら焼きは、お客さんから「有名和菓子店のどら焼きを超える美味しさ!」と言われるほどの仕上がりになりました!
また、かわいらしいどら焼きのパッケージは自分で考えたそうで、イラストには店主の姿が。
どら焼きの生地はしっとり甘く、カステラのようで、パサパサ感が一切ありませんでした。また、あんこが甘すぎないため、お茶がいりません!
大人気メニューの苺大福は、予約必須の早い者勝ち!
「菓心 雪梅庵」でお客さんから一番大ウケしているのが、フルーツ大福です!
フルーツ福は看板商品であるどら焼きを超えるほど大好評で、特に「プレミアム苺大福」は予約をしないと食べられないほどの人気ぶり!
年末の30日と31日には、「プレミアム苺大福」だけで200個ずつ予約が入っているそう。
たしかに年末年始は無性に和菓子が食べたくなりますよね。
フルーツ大福は種類も豊富で、夏はスイカ、秋は柿、マスカットやマンゴー、梅など、季節のフルーツが盛りだくさん。
私が訪れたのは冬だったので、みかんといちごが旬でした!
パイナップルとキウイは通年いただけるそうです。
フルーツの仕入れ等によって作る個数は異なりますが、苺とみかんの大福は毎日約100個ずつ、その他のフルーツ大福は約50個ずつ作るそうです。
毎日たくさん仕込んでいるフルーツ大福は、ほとんどが午前中で売り切れ。
閉店間際まで残ることがほぼない人気ぶりだそう。
今回は、奇跡的に残っていたプレミアムいちご大福と、みかん大福を購入。
プレミアムいちご大福も、みかん大福も、中の構造はどちらも同じです。
もちもちの求肥の中に、白餡とフルーツが丸ごと入っていました。
みかんも苺も、もぎたてのような甘さとみずみずしさで、とにかくジューシー!
新鮮なので、果実の食感がしっかり残っています。
そして白餡は、甘すぎず、フルーツ本来の甘味と酸味を引き立てています。
見た目がかわいいだけじゃない、店主のこだわりが詰まった本格和菓子です。
異国の地・鶴見区で、店主が「菓心 雪梅庵」を営む理由
実はこちらの「菓心 雪梅庵」、人気店にもかかわらず、製造から販売までをほとんど店主が一人で行なっているそうです。
そのため、大きなメディアの取材は、依頼があってもお受けしていないそう。
そんな背景から、今では知る人ぞ知る隠れた有名店になっています。
土日などは近くのマルシェやイベントにキッチンカーでの参加も行っているようで、2024年は京都のお寺で行われる梅祭りへの参加が決まっているようです。
下町で人情深い人が多いと耳にし、鶴見の町を選んだという店主。
日本の和菓子屋さんは敷居が高く、以前は入りにくさを感じていたといいます。
「小さい子でも気軽に入れるような、温かい店を作りたい。」
そんな思いでお店を開いて早6年。一人でも多くの子どもが和菓子を好きになってくれたら嬉しい、と笑顔で伝えてくださいました。
エリア情報
菓心 雪梅庵
住所:神奈川県横浜市鶴見区生麦5-16-5 キープラザ 1F
アクセス:京浜急行電鉄「花月総持寺」駅より徒歩6分
電話番号:045-716-8812
営業時間:9:00~18:00
定休日:水曜日、 第1・第2火曜日