鹿島田の街で出会えるもう一つの顔「ニュータンタン酒場」
川崎で長く愛されてきた「ニュータンタンメン」。それはもはや単なる麺料理ではなく、この街で暮らす人々の日常や記憶に深く刻まれた、象徴的な存在です。
四川省発祥の担々麺を、川崎の労働者たちの好みに合わせて大胆にアレンジしたその一杯は、いつしか独自の進化を遂げ、唯一無二の「ソウルフード」となりました。
そんなニュータンタンメンが今回、慣れ親しんだ「街中華」の枠を飛び出し、「酒場」という新たなスタイルで幸区・鹿島田にリニューアルオープン。
なぜ、この地で「酒場」としての再スタートを選んだのでしょうか。本記事では、鹿島田という街の特性と人々のニーズを紐解きながら、新生「タンタン酒場」の魅力に迫ります。
鹿島田という街での再スタート

鹿島田は、オフィスビルよりも住宅が立ち並び、生活者の気配が濃い街です。駅から徒歩約10分、南武沿線道路沿いの「下平間住宅前」バス停そばに位置する「タンタン酒場 鹿島田店」は、そんな街の特性に合わせて生まれ変わりました。
リニューアルの背景について、店長の髙瀨氏は次のように語ります。
「立地や客層を分析した結果、オフィス街のようなランチ需要を見込むのは難しいと判断しました。平日の昼間に、ニンニクの効いたラーメンを求める方は限られているからです」
そこで同店が舵を切ったのが、夕方以降の「地元客」をターゲットにした店づくりです。
「仕事終わりや帰宅途中のみなさんに寄り添える形を模索した結果、伝統の味はそのままに、酒場として再始動することに決めました」
金曜の夜、灯りに誘われて集う人々

夕刻、「ニュータンタン酒場」の看板に火が入ります。「酒と焼肉。〆にタンタンメン」という心惹かれるフレーズに誘われ、今夜も街の人々が集まってきます。
特ににぎわいを見せるのが金曜の夜です。「明日は休みだから、ニンニクたっぷりでも大丈夫」。そんな期待を込めて、一週間を締めくくる最高の一杯を頬張る常連客の姿があります。
また、ここは単なる飲食店を超えた「地域の交差点」でもあります。
「隣り合わせたお客さん同士が、実は知り合いだったということも多いんです」と髙瀨店長。

ある時は、子どもたちが学校の同級生だったことがきっかけで、家族同士の新たな縁が生まれたことも。こうした光景がごく当たり前に見られるところに、鹿島田という街に寄り添うこの店の本質が隠れています。
変わらぬ味は進化を続ける

多くのファンを持つ「ニュータンタンメン」ですが、その味は今もなおアップデートされ続けています。
店長の髙瀨氏は、「変わらない味を大切にしながらも、ブラッシュアップしていくことが不可欠。常に成長していかなければならない」と断言します。
「いつもの味」という安心感の裏にある、時代に合わせた細やかな改良。その積み重ねが、半世紀以上にわたって川崎で愛され、そして新たな「酒場」という業態でも支持される理由となっているのでしょう。
ここでしか味わえないタンタンメニュー

「酒場」として再スタートしたことで、メニューの幅は一気に広がりました。
すぐに出てくるクイックメニューから、がっつり楽しめる焼肉や鉄板料理まで。既存の「ラーメン店」というイメージを覆すバラエティ豊かなラインナップが、お酒好きの心を掴みます。
特筆すべきは、同店オリジナルの「酒場のじゃがタン」です。
素揚げしたじゃがいもに「まぜタン」の餡とチーズを組み合わせて焼き上げるこのメニューは、ニュータンタンメンの魂を酒場流に昇華させた自信作。ジャンキーながらも後を引く味わいは、ビールやハイボールとの相性も抜群です。
鹿島田の街とニュータンタン

最後に、「これからどんなお店を地域と共につくりたいか」と店長の髙瀨氏に問いかけました。
「川崎で長く愛されてきた歴史を大切に、常連さんを何より大事にしたい。その一方で、これまでの『街中華』という少し閉ざされたイメージを塗り替え、誰もが気兼ねなく暖簾をくぐれる場所にしたいんです」
パッと目を引く明るい外装や、遊び心あふれる店内の装飾。それらはすべて、訪れる人を笑顔にしたいという髙瀨氏の想いの表れです。
鹿島田の街で「酒場」として新たな産声を上げたニュータンタンメン。この街の日常に溶け込み、これからどんな新しい物語を紡いでいくのか。その進化から目が離せません。

エリア情報
元祖ニュータンタン酒場 鹿島田店
住所:神奈川県川崎市幸区下平間255-18
アクセス:JR南武線「鹿島田」駅より徒歩10分
TEL:044-589-6675
営業時間:17:00~26:00
定休日:火曜日
駐車場:なし
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