まち歩きに立ち寄りたい!川崎宿随一の古いお寺「宗三寺(そうさんじ)」
「京急川崎」駅より歩いて約5分のところにある「宗三寺」は、鎌倉時代に創建された「勝福寺(しょうふくじ)」が起源とされる曹洞宗のお寺です。
境内にはかつての川崎宿場のにぎわいを支えた遊女の供養塔や、「烏八臼(うはっきゅう)」と刻まれた未解明の墓石があることで知られています。
そんな東海道川崎宿のまち歩きの見どころである寺院を参拝してきました。
川崎宿にある「宗三寺」って?
駅から旧東海道の道に沿って歩いていくと、かつての川崎宿から現在まで残る「宗三寺」を発見できます。
江戸時代の川崎宿場町は「宗三寺」のあたりから道が大きくカーブしており、当時行政的な施設が多く存在したようです。
現在でも川崎市役所があるなど、その名残を感じられるエリアとなっています。
お寺の前にある寺院名が彫られた石柱が目印で、石柱とともに東海道と大師ルートの川崎歴史ガイドの解説板が設置されているのでわかりやすいかと思います。
解説板には以下の内容が記載されていました。
「宗三寺は、中世の河崎庄において信仰を集めた勝福寺の後身とみられる宿内一の古刹である。寺内には、かつて宿の賑わいの中で働いた飯盛り女を供養する石造物が今に残る。」
川崎宿内随一の古いお寺ということで期待が高まります。
厳かな雰囲気のある本堂へ
入口すぐに「宗三寺」の歴史について詳しく記載された案内板があります。
寺院名の由来や供養塔に関することが書かれていて、事前に知識がなくても歴史がわかるのでぜひ読んでみてください。
本堂は入口から近く、門の手前から全貌がはっきりとみえる距離にあります。
落ち着いた佇まいで厳格な雰囲気が感じられる本堂です。
眞納殿にあるお地蔵さんはみんなの安全を祈るため、「京急川崎」駅の方向をみて設置されているんだとか!
境内に進むと、遊女の供養塔があります。
江戸時代には旅人に給仕したり床をともにする遊女のいる「飯盛旅籠(めしもりはたご)」があったそうです。
遊女は別名、飯盛女(めしもりおんな)といわれ、宿場町の目玉ともされていたそう。
年季奉公で近郷から売られてきた女性たちのことを指し、旅人を留めて宿場の財政を支える大きな役割を果たしていました。
そんな女性たちは経済を支えたにもかかわらず、その多くは身体を壊して、お墓にも入れずに打ち捨てられたのだとか。
そうした歴史背景から女性たちの冥福を祈って、大正初期に川崎貸座敷組合によって建てられたものなんだそうです。
江戸時代の川崎宿の人口が、女性1353人に対して男性1080人であったと記されていることからも女性の活躍を確認できます。
また供養塔のほかに、「烏八臼」と呼ばれる解明されていない謎の文字が頭部に刻まれた墓石もあります。
調査によると、室町時代から江戸時代後期につくられた曹洞宗や浄土宗関係の墓標でよくみられるつくりをしているそう。
鳥を意味するものや梵字合字の崩れなど、墓石に関しては諸説あるようですよ。
供養塔や墓石から川崎の歴史を掘り下げ、住んでいる地域の発達を考える貴重な時間となりました。
川崎宿のまち歩きにぜひ!
地元の人々が日々参拝に訪れ、近年では座禅体験や寺サウナなどのイベントも開催している「宗三寺」。
東海道川崎宿のまち歩きにぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか?
エリア情報
宗三寺
住所:神奈川県川崎市川崎区砂子1-4-3
アクセス:京浜急行線「京急川崎」駅より徒歩約5分
TEL:044-222-5051
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