私たちはたくさんのモノに囲まれて生活をしています。モノがあることで満たされている部分もありますが、逆にモノが多すぎることで窮屈になっていることもあります。窮屈になっているのは、部屋のスペースのみならず、気持ちに余裕がなくなり、何となくモヤモヤして心も窮屈になってしまいます。すっきりとした部屋で暮らしたい・・・、思うように部屋が片付けることができない・・・、毎日探し物に費やす時間が多い・・・と悩んでいる方に向け、家が片づかない原因や、整理と収納のポイントを知ることで、お部屋と気分がスッキリすることをお伝えします。
賃貸マンションから、新築マンションに引っ越すことが決まったKさん。
新居で快適に生活できるよう、収納提案をしてほしいと依頼がありました。
Step4以降は、実際に収納提案した様子をお届けします。
<Family Date>
ご主人:会社員36歳
奥 様:会社員36歳
長 女:2歳
奥様はフルタイムで働く共働き子育てファミリー。
賃貸マンションに6年間暮らし、手狭になってきたため3LDK、78㎡の新築のマンションに引っ越すことを決めました。
現在の賃貸マンションでの不満な部分と、新しいマンションに期待する理想の暮らしについて伺いました。
スタッフ: | 今の自宅で、収納について何か不満はありますか? | |
Kさん奥様: | 収納がほとんどなく、主な収納は1間幅の押入れのみです。 衣類は押入れ内の衣装ケースと、ハンガー掛けに掛けて何とかしのいでいました。 押入れの中は衣類や他のモノでいっぱいのため、来客用布団がしまえず、また他にも 収まらないモノが多くあったため、使っていない1部屋を物置部屋として使っていました。 |
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スタッフ: | 収まりきらないモノのために部屋を収納部屋として潰していたのですね。 新居で、気に入っている収納部分はありますか? |
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Kさん奥様: | 一番は廊下にある納戸です。大きなモノを収納できるので、今まで収納しきれなかった物をスッキリ収納したいです。 他には、寝室のクローゼットや買い置きした食品を収納できるキッチンの物入れ、洗面室の物入れ、ベビーカーも収納できる下足入れ、玄関外のトランクルームも気に入っています。 |
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スタッフ: | 各部屋の収納が充実していますね。 逆に、新居での収納に対する不安や不満はありますか? |
Kさん奥様: | 今の賃貸では1部屋を物入れとして使っていたため、現在の手持ちの荷物が入りきるか不安です。 間口が1間しかありませんでしたが、それなりに押入れはたくさんのモノが収納できたので・・・。 今度は靴、洋服、来客用布団、子供が成長して必要となるモノが入りきるのかな、ウォーターサーバーや買い置き食材、ティッシュなどのストックが入りきるのかな、と心配しています。 |
スタッフ: | 確かに、押し入れの収納量は大きいですね。 最近の新築マンションでは、和室がない間取りが多く、来客用布団の収納に困っている方が多くいらっしゃいます。 使う機会が少なければ、いっその事処分してしまい、必要なときにレンタルという手段もあります。 でも、レンタルに抵抗があったり、どうしても必要な場合は、上手に収納することが必要になってきますね。 (来客用布団の収納については、Step5で詳しくお伝えします。) 続いてご主人と奥様のそれぞれのモノの持ち方について教えください。 |
Kさん奥様: | 主人も私もお互いにモノが増えやすいタイプかと思います。 主人は片付けて収納してくれますが、詰め込みすぎてしまうので、あとで出しにくかったり、中には出せないこともあります。 私はなかなか捨てられないタイプですね。 |
スタッフ: | では、理想の収納イメージはありますか? |
Kさん: | 用途別に整理されていて、家族みんながどこに何があるかわかりやすく、見た目はスッキリさせたいです! また、共働きなので、時短できるように動線に沿った収納が理想です。 そして、私は身長が148cmと低いので、良く使うものは取り出しやすいところに置きたいのですが、2歳の長女のイタズラは阻止をしたいのですね。 |
スタッフ: | ありがとうございました。 |
Kさんは、賃貸のときよりも広い部屋に引っ越すこととなりましたが、収納量が多かった押入れが新居にはないことを一番心配していました。
また、新居では、将来もう1人お子さんが産まれても部屋が確保できるように、3LDKの間取りを選び、全ての部屋をそれぞれの部屋として使える状態にしたいと考えていました。
収納すべきモノは、納戸やクローゼット、物入れに全て納まることを希望していました。
今回、納戸に絞って収納提案をすることになり、早速、Kさんに納戸に収納したいモノをピックアップしてもらいました。
<納戸に収納したいモノ> | |
・来客用布団×2セット | ・アイロン |
・スーツケース×2個 | ・掃除機 |
・雛人形の台 | ・掃除グッズ |
・ストーブ | ・工具関係 |
・扇風機 | ・薬 |
・布団乾燥機 | ・防災グッズ |
・カセットコンロ | ・かばん |
・ホットプレート | ・細々としたもの |
・卓上IHヒーター | etc・・・ |
また、納戸は天井が高いので、空間の上部をうまく使うこともポイントになります。そのためには、棚を置くか、固定棚等を設置する必要があります。
どのようなレイアウトで棚を設置するのがいいのか、収納するもののサイズを考えながら検討していきます。
まず、納戸のスペースを右手と正面の2つに分けました。
納戸入って右手に棚を設置して、来客用布団やスーツケース、ストーブなどの大物を収納します。
正面にはスチールシェルフを置き、細々したモノを収納するよう提案しました。
右手の棚の形状については、造作棚と置き家具のスチールシェルフの2パターンを提案しました。
造作棚は棚板の位置を自由に変えられるように、左右の壁にガチャレールを取り付けます。ビスで留めるために下地が必要になりますが、壁の下地がどこにあるのか分からないのが難点です。この解決方法としては、壁の内側に下地板を貼ってから取り付ける必要があります。
そして、スチールシェルフは、固定ではなく置き型の家具で提案しました。
部屋の壁に穴を空けたくない場合にはお勧めです。
これらをKさんに説明をしました。
<造作棚>
壁の内側に下地板を貼り、
ガチャレールを設置。
■メリット
・棚板の高さを自由に変える
ことが可能。
・スペースに合ったサイズで
設置可能。
■デメリット
・下地の工事を伴う
<スチールシェルフ>
組み立てた置き家具を
設置。
■メリット
・安価である
■デメリット
・ある程度棚板の高さは
調整可能だが、規格品
のため、幅、奥行き、
高さの制限がある。
結果、入って右手の空間は、将来収納するモノが変わってもいいよう、棚板の高さを変えられる造作棚に決まり、正面はスチールシェルフを配置することになりました。
さらに、正面には、かばんを引っ掛けられるよう、左の壁面から正面にかけてフックを設置することになりました。
今回のStepでは、現在の不満や新居での理想や心配事を伺いました。
また収納の形状を検討し決まりましたので、次回からは実際に収納作業をお届けします。